時を超えて生き続ける醫院:まるみデパート


まるみデパートさんの建物は、大正時代に開業された村井醫院は、
30年空き家だったそうです。


梶高さんの旦那さんにとっては、この空き家となった医院は幼い頃から遊び場でした。そこを何年もかけて、まずはお掃除から、そしてだんだん快適にリノベーションをすすめました。

 

地下の物置きから見つけた新聞広告には、資生堂の広告。当時使われていた薬の処方箋袋。薬の調合棚と手を洗って、器具を消毒する流し台。そういったものがそのまま生かされています。

入り口を入ると当時の面影が感じられ、どこか別の時代にトリップしてしまったようです。 

先生の診察室が、お茶やお菓子を出す場所になっていて、そこにはダルマストーブと大きな木のテーブル。出雲まで続くという前の大通りが見える大きな窓があります。こんな場所で診察してもらったら、病気も治ってしまいそうです。

 

この元診察室で季節によって収穫した椿の実を搾る体験や、刺繍、綿花を紡ぐワークショップなども開催しておられます。ここでは時間がゆっくりゆっくり流れています。私たちも空間を楽しみ、出していただいたお菓子とお茶を静かに味わいました。 




 薬の調合室が、「もち肌化粧品」というお店になっています。看護婦さんや薬剤師さん、受付の人が今にも仕事をしている様子が思い浮かぶほどに当時のしつらえをそのまま生かされ、その空間にオーガニックコットンの下着や、ルームフレグランス、化粧品などが並べられています。ガラス戸のついた棚に劇薬、毒薬、普通薬という当時のラベルが貼られていて、そこにMOONSOAPの化粧水や石けんが並べられていました。 

日本最古のものだという島津製作所の大きなレントゲン機器がある部屋があります。レントゲン室で、今はハーブのアトリエになっています。レントゲン用ベットの上には、ローズマリー、セージ、椿の種が並んでいて、部屋にはハーブの香りが立ち込めていました。綿花を植えたら、豊作でたくさんのコットンボールが取れたので、ここにおばあちゃんの持っていた機織り機が置いてありました。 

まるで博物館のような古民家。旦那さんは空き家バンクで仕事をしており、尾道の古民家再生を手がけているそうです。千光寺公園内にある「みはらし亭」も手がけられていて、こちらは宿泊したり、カフェがあったりと人々が集う場所となっています。

 

梶高さんのイラストもとても素敵で、畑で育ったハーブで作ったアロマスプレーのラベルの植物のイラストは彼女によるもので、額に入った猫などのイラストもこの醫院の雰囲気になじんで飾られています。 

部屋の案内用の看板や当時の器具の説明もしっかりされていて、ところどころには、新鮮な花が活けてありました。この古民家に気持ちがあったら、当時を懐かしみながら現代を堂々と美しく生きているように感じました。 


【まるみデパート.

住所:広島県尾道市御調町市1200番地

最寄駅:三原駅

TEL090-5701-7723

URLhttps://mochihada.net/ (もち肌化粧品)

https://marumidept.jp (まるみデパート)

インスタ:https://www.instagram.com/marumidept/

 

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