満月レター11/30
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2.MOON LETTER
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11月30日、夕方18時30分に牡牛座で満月を迎えます。
今回の満月は、大きな流れの変わり目になりそうです。満月の頃には金星が天秤座で強いこともあり、まだ明るいムードがあると思いますが、11月20日に木星が山羊座に入ったことによって、ふたたび社会活動が停滞していく可能性があります。木星が水瓶座に抜けるのは来年2021年の4月ですから、今回も数ヶ月の長期戦になるかもしれません。
今回の満月は反影月食で、次の12月15日の新月は日食。このふたつの食により、今年の年末にも大きな変化が始まることが予想されます。2020年のコロナ禍は、社会的にもこれまでにないような大きな出来事でしたが、さらに変化は続きそうです。
どんな大きな変化の中でも、心の反応、そしてどう行動するかの選択は自分自身に委ねられていることを忘れずに、穏やかに過ごしたいものです。(by ゆき)
※西洋占星術とインド占星術では春分点の度数が違うので、今回は西洋で双子座の満月ですがインドでは牡牛座になります。
※Yukiさんの占星術についてもっと知りたい方は、「hoshi-note」もご参考ください。
12月中、HPで1万円以上お買上げの方に「アロマキャンドル〜White Tree〜」をプレゼントいたします。
モミの木とリッチェアクペバ精油の芳香が漂い、空間の雰囲気を温かに。容器に入っているので手軽に使えて、12時間以上燃焼します。
【ヨギスプレー】
この時期、消毒剤などの普及でミストスプレーの容器が品薄になっております。一定期間、ヨギスプレーのヘッドが黒い色のものになっておりますので、ご理解いただけますと幸いです。
現在、出店予定がございません。決まり次第、HPに掲載いたします。
5.『花葉月果(かようげっか)』第三話
「ゲニウス・ロキ Suomalainen (フィンランド人)編」*
〜新しい文明や文化がやってくると、古いものはいったん破壊されてしまう。でも、それは完全に消滅してしまうのではなく、グッと下に潜って、意識の湖底に沈んでゆくだけ。それは、私たちの記憶の底に「感じ」として生き残っている。〜
毎日次々と新しい情報と経験がやってきて、自然と朧げになってゆく昔の記憶。
足元深く、無意識の古層にまで沈み込んでいってしまったのではないかと思えるほどの記憶たちは、目には見えないままに、私たちの次の振る舞いを現在進行形で作り出す源となっているのかもしれません。
*ゲニウス・ロキ=ユング派の心理学者、河合隼雄が箱庭療法の中に取り入れた概念のひとつ。ローマ神話における土地の守護精霊。
* Suomalainen=フィンランド語でフィンランド人の意味
フィンランド人は、かなり無口な人種でおおむね表情を変えず、淡々と暮らしています。
我々がよくイメージするような、身振り手振りが大きく、目が合うとニコッと笑い、上手に片目をつぶって見せるような、あのヨーロッパ人の様相とフィンランドの人々はかなり異なります。
同じ表情をした顔を3つ黒板に描いて、
「左から順に、これが怒っているフィンランド人、
これが喜んでいるフィンランド人、
そしてこれが困っているフィンランド人です。」
と、ヘルシンキ大学での最初の授業で、留学生である私たちに(ミステリアスという点では国際的に引けを取らないであろう日本人の私にも)解説してくれた先生がいるくらいでした。
国土の73%が森であるフィンランド。彼らは都市で暮らしながらも、森に入る習慣を非常に大切にしていました。
そして、一人でいることをとても大切にしていました。
お酒は友達とわいわい飲むものじゃないの、一人で静かに飲むものよ、と私に真顔で言ったのはまだ20代になりたてのクラスメイトでした。
また、湖のそばで夏を過ごす為にMökki(モッキ)と呼ばれるサマーハウスを建てる文化がフィンランドにはあるのですが、自然の中では電気や水道をつけない、シンプルさを尊ぶことはもちろん、半径4km以内に人間の気配がするとせっかくのMökki(モッキ)の意味がないから、と入念に人の気配を避けようとするのでした。
たとえ道中一緒になっても、
1日目は決してお互いに目を合わせず
2日目にようやく顔を上げ
3日目にはじめて「Moi(モイ:フィンランド語でこんにちは)」と一言挨拶を交わす
それがフィンランド流の礼儀正しい社交の方法だというフィニッシュジョークも教えてもらったけれど、おそらくこれはジョークではなく事実であろうと確信するほど静かに注意深く、そして野生動物のような鋭さをもつ彼ら。
冬にはまったく光の射さない1日の中で、キャンドルの灯りで、降る雪の音を聞き分けている静寂への感受性豊かな彼ら。
そんな彼らのことを、暗いだとか、ダサいだとか、いろいろ言う人もいましたが、常に自然とのパイプを太く保ったまま、ヘルシンキという首都で生活を営む彼らは、第六感が途絶えないような発展を可能にした未来の人類のように思えて、今までどこを旅してきても触れたことのなかった彼らの価値観に、毎回心の中で「おおお」と驚いては、ひそやかに愛おしさとリスペクトを募らせる日々だったのでした。
ガチャガチャとしたノイズから逃れたくて、ここではないどこかを夢見て走り続けていた私が、ずっとずっと会いたかった、そして初めて出会った美しい人々。
by 池田早紀 "Ayurveda for your life"