世界の果てまで / Short trip to Nikko, Japan (Ayumi)

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様々な国の、日常の空気を感じられる日記です。
MOONSOAPとつながりのある方々に執筆をお願いしています。
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By Ayumi
2012年よりシンガポール在住。
フランス人夫と2人の子供と常夏生活を満喫中。趣味はお菓子&パン作り。

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栃木県にある日光を久しぶりに訪れる機会があった。
東京から電車に乗ること約2時間半。


電車のドアが開くとキーンと冷え、澄み切った空気が肌に心地よかったことを思い出す。

日光と言えば、関東圏の中学を卒業した私にとって、級友と共に訪れた修学旅行先。
日光の社寺を巡るも、あの当時は世界遺産などという肩書もなく、一介の中学生にとっては何とも面白味にかけた地味な旅行先としての記憶がある。もう少し歴史に興味があったら、また印象も違っていただろうに。
反抗期特有の仏頂面で撮った記念写真を見ても、日光の記憶というよりは級友とおしゃべりに忙しかった宿泊のことぐらいしか思い出せない。

あれからウン十年の時が経てば、私なんかでも日光にでも行ってみようかと思い立つようになるのだから不思議なものだ。

日光にはご存じのとおり、見どころが随所にあり、我が家もそのうちいくつかを訪ねた。

華厳の滝、竜頭の滝、そして東照宮。




いずれも日光を代表する観光名所。
そして私以外の家族にとっては初訪問の地。それらが放つ圧倒的な迫力に驚嘆の声が上がっていたことが(主催者である私にとって)何よりの土産となった。

宿をとった中尊寺湖の美しさも格別だった。


紅葉シーズンが終わり、静けさを取り戻したいろは坂を上る送迎車の中で、子供たちは「いー、ろー、はー」とカーブに立つ標識を読み上げているのを訝しく眺める異国籍の夫。次に見えるはずの(まだ見えない)標識の文字を、子供たちがフライングで声に出すのが不思議でならなかったそうだ。そんな「ぐねぐねの道」を上り切った後に見えてくる中尊寺湖は、青く晴れわたった空の色にも負けず輝いていた。日本らしい、日光らしい景観にうっとりした。

宿の温泉からも中尊寺湖を眺めることが出来た。
白樺の林の向こうに佇む湖の日暮れや夜明けは、筆舌に尽くしがたい情景だった。


「日本っていいなぁ」

ヒンヤリとした空気を吸い込みながら温かい白濁した温泉に身を委ねる幸福感といったら、と文章にしているそばから日本恋しやと感傷的に再訪を強く望む自分に気付く。今頃の奥日光は雪景色が一面に広がっているんだろう。

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